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マラソンランナー”高橋尚子”の現実

2時間44分18秒の27位。

35歳のQちゃんこと高橋尚子が、名古屋を駆け抜けたタイムであり
同時にそれは事実上「最後」と言われている五輪出場を賭けた闘いの
『終戦』を意味する結果となりました。

ですが、常にアスリートの頂である「オリンピック」というものに縛られずに
いちアスリートとして、ランナーとして、走るのが大好きな一人の人間としての
終わりを意味するものでは決して無く、
むしろこれからが新たな章の幕開けなのかもしれません、彼女にとって。

8年前のシドニー五輪の女子マラソンで金メダルに輝いてから
絶えず「頂点に君臨し続けなければならない」事を周囲から期待、
そして自らもそれを「義務」として、日々駆り立て縛り続け、
その事に付随しない全ての事は一切シャットアウト・・・
五輪で金メダリストとなった彼女のそれからは
まさにそういう毎日だったと思います。

マスコミのカメラフラッシュが焚かれる前では
持ち前の明るさとサービス精神を発揮して、精一杯の笑顔を見せる彼女
けど本当にそれは心からの彼女の笑顔だったのかな・・・

その「笑顔」を(カメラを通して)こちらに見せる事すらも
“苦難”“苦闘”であったように思えてなりません。


満を持して望んだ今日この日・・・
スタートから超スローペースの中、10kmにも届かない位置で、
先頭集団からの脱落・・・ジリジリ後退・・・

力ない走り、終始下を向いたままの顔、一般ランナー水準まで落ちたペース・・・

誰もが「リタイアだな」と思いました、、が、

今日の主役、いやこの4年間、でなくて8年間の女子マラソン界の「主役だ!」と
信じて止まない沿道に幾重にもなった超大群衆のマラソンランナー高橋尚子ファンの
鳴り止む事の無い熱く温かな声援が、彼女を『完走』へと
駆り立てたのだと思います。で、彼女もきっちりそれに応えてくれました。

いとも簡単に「感動」なんて言葉では締めくくりたくはありません。
何故なら、走った彼女には感動を味わえるハズも無く
選考レースに敗れた「屈辱感」「敗北感」「空虚感」が
圧倒的に心を支配していたハズですし。
そして何より「トップランナーとしての限界」という現実を
目の当たりにすると同時に、それを噛み締めていたハズですし。。。

だけども、これで終わりにしなければいけない理由なんてどこにも無い。
だってそうでしょう?
何故に五輪の舞台に立つ人間だけが夢を描いて
そうでない圧倒的多数のアスリート、ランナーが夢を描いてはいけないのか。

先日、東京マラソンを走った30,000人のランナーは
夢を描いてはいなかったのだろうか?

夢の形なんて、その時、その人、それぞれで然るべき。

だから、高橋尚子にとって、このレースが自分の中の
一つの終わりであると同時に、また新たな始まり。マラソンランナーとして。

レースを終えて、ランニングウェアからドレスに着替え
インタビューにいつものトーンで応える彼女は、明るい声やトーンこそ
普通にありふれた可愛らしい女性のそれだけど
明るく優しい表情とは対照的に、極限まで絞ったギリギリのカラダが
痛いほどに際立っていた。あえて言うなら「女性らしからぬ」。

昨夏には、右膝の故障箇所を手術し
急ピッチで今日までもっていったと言う・・・
もうこれからはそういう事に縛られず、急がず、ペースを落として
何より「女性に生まれた自分・カラダ」を犠牲にする事無く
出来る範囲、ムリの無い範囲でこれからの「夢」にアプローチしていったら
結果として、未だかつて無かった本当の『最高到達点』に
辿り着けるんじゃないかと思う。

マラソンランナーQちゃんこと高橋尚子に、まだまだゴールなんて無い。
誰に縛られる事も無く、納得するところまで走り続けたらいい。

そんな彼女をいつまでもいちファンとして見届け続けたい。

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投稿: 走快 | 2008年3月10日 (月) 19時16分

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