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三浦和義氏 サイパンで逮捕!

週刊文春は「疑惑の銃弾 最終章」と打っていた。この「最終章」が始まったサイパンでの逮捕以降の動きは期せずして法務・検察当局が念願を果たすよすがにしようとしているのではないかと深読みするに十分な展開だった。

おそらくアメリカの判断は単純だったのだろう。一説には無罪確定後に三浦元社長はロサンゼルスにまで赴いたという。少なくともサイパンを数度訪れたのは報道によると確からしい。オレの国で逮捕状が出ている外国人がオレの国の施政権が及ぶ範囲をウロチョロするのはまかりならんという見せしめ。その点で三浦元社長は彼の国を少々甘くみた感は否めない。
一事不再理や事後法の禁止を持ち出しても多分アメリカには通じまい。事後法の禁止に至ってはアメリカは罪と罰を新設してA級戦犯を裁いた例がある。それに比べれば日本の無罪確定が一事不再理を原則としたカリフォルニア州法改正より前だったなどという理屈は小さい。合衆国憲法が一事不再理を国内に限っている以上、今回の場合は手続き法の変更に過ぎないと突っぱねられたらお仕舞いである。
また一事不再理も場合によって稀に踏み出す例もアメリカではある。微妙な例えにはなるがエメット・ティル君殺害事件は司法上の決着はとうに済み発生以来50年以上たつも再捜査の動きがあったりする。えん罪の再審をするのではなく真犯人の捜査をしようというのだ。

さて冒頭の法務省のたくらみについて。何しろ日本の法務・検察当局は「起訴=有罪」の恒等式を信じて疑わない。したがって銃撃事件での無罪判決は大変な屈辱だったはずだ。もちろん日本の判決を覆すような形での元社長逮捕も司法の屈辱と言えなくもないものの、法務・検察当局のDNAからすればありうべしと小さくガッツポーズしてもおかしくはない。
意外と扱われていない問題点として三浦元社長は未決拘置と殴打事件での服役を合わせて16年も「入って」いたという点だ。かねがね私が問題視しているところだが未決拘置は事実上収監と同じなのに、法務・検察当局は分けて考えている。16年といえば元社長が地裁判決で受けた無期懲役刑がもし確定していたとしても仮釈放されておかしくない年数だ。実刑判決後の囚人が深く反省しようが「オレは出たらすぐまたやるからな!」と叫ぶほどに無反省であろうが、罪刑法定主義の建前上、予防拘禁は許されない。まして未決拘置は争っているのだから事件に対して無反省である状況は大いにあってしかるべき。

ロス市警が持ち出した共謀罪も法務・検察当局が喜びそうな展開である。おそらく少なからぬ国民は元社長を銃撃事件でも「犯人じゃないか」と根拠もなく今でも疑っていよう。それが無罪確定となった。長期にわたる未決拘置のことなど大半の国民は忘れている。だから「日本にない法律でアメリカが正義を執行してくれた」と喜ぶ人もまた多く出る可能性が捨てきれない。
共謀罪は03年3月に国会へ新設法案を政府が提出して以来の法務省の宿願である。当初案は刑法と特別刑法で「4年以上の懲役・禁固に当たる」罰を定めた罪のすべてを対象に、「団体の活動として犯罪実行のための組織により」行われる場合の共謀を処罰。最高で懲役5年。刑法と特別刑法の大半が「4年以上の懲役・禁固に当たる」。実行行為がなくとも裁ける点や、06年6月に与党が民主党案を「丸のみ」する方針に転換するまで「団体」の定義をあいまいにしたことから市民団体や報道機関まで「団体」に含んで、そこでの言動だけで(実行行為がなくても)罪に問うのは思想・信条の自由や内心の自由を侵すと大ブーイングを呼びお蔵入りとなったいわく付きである。
今回の元社長逮捕に際して一部で共謀共同正犯と同じようとの論法もあってビックリする。元社長が実行犯でないのは明らかだから刑法60条を適用するには実行犯との謀議と、実行犯への強い影響力を証明しなければならない。それはできなかった。日本に共謀罪があればなあとの雰囲気が醸成されれば同法成立を願う勢力にとっては朗報になろう。

もう1つはロスに舞台を移せば開かれる陪審である。その前に起訴陪審が開かれる可能性もある。陪審で有罪の評決が出れば「日本にない制度でアメリカが正義を執行してくれた」とこれまた喜ぶ人が出るに違いない。そこで法務省はニッコリ微笑む。「ご安心ください。日本でもよく似た裁判員制度が09年から始まりますから」と。
陪審員と裁判員は似ているようで似ていない。でも図柄をよく知らない人々にとっては「似ている」と映るだろう。かくして問題山積の裁判員制度に追い風が吹く。100万回の広報よりも「疑惑の銃弾 最終章」の陪審評決の方が宣伝価値がある。逆の無罪評決だったとしても元々日本で無罪が確定しているわけだから今以上に法務・検察当局が泥をかぶるわけではない。奇貨置くべしとの思いがあるのではないか……

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» え?三浦和義氏がまた逮捕(追記アリ) [つらつら日暮らし]
なんだか、アメリカの司法制度というのは良くわからないですね。 [続きを読む]

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